東京工芸大学 工学部 電子機械学科

電子機械学科コラム

Vol.19 己こそ

2012年 1月 13日
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30年間ほど機会あるごとに心の中で呟いてきた言葉がある。

「己こそ己の依(よ)るべ 己をおきて誰に依(よ)るべぞ 良く整えし己こそ まこと得難き依(よ)るべなり」。

少林寺拳法を習っていたときに教わった。道着を着なくなってから久しいが、現在でもこの言葉はいつも身にまとっている。

というと、何だか自信に溢れた者のようだが、実際は不惑を過ぎても迷いだらけ。

とても、いざという時に一番頼りになるのは自分だ、などと言えた状態ではない。

それでも、こう在りたいという気持ちで呟き続けている大好きな言葉なのだ。

 

 近年、若者の間で「自分磨き」という言葉をよく耳にする。語学学校や趣味の教室、エステティックサロンの勧誘文句などでもよく使われているようだが、これも自己確立の精神に基づくものなのだろうか。外見でも中身でも自分を磨こうという向上心は決して悪いものではない。流行に乗った形、一時の行為ではなく、長く将来にわたって「自分磨き」を続けてほしい。

 

 今年もお互いに、少しでも今の自分より強く、優しく、しなやかになれるように努力しよう。